
メキシコシティ
国際投資が際立たせる快適性・利便性を高める設備
メキシコシティは、低仕様の内装においては比較的コスト競争力のある市場(1㎡あたり30,445メキシコペソ)とされていますが、10年ほど前に新築オフィスの供給が急増したあと、現在再びスペース不足、特に高グレード物件の不足に直面しています。そのため、プレミアム仕様の内装は比較的床面積の小さい空間に限定される傾向があり、供給の制約が相対的なコスト上昇につながっています。現在の平均は1㎡あたり45,653メキシコペソとなっています。 このように空室が限られている状況にもかかわらず、実務上、多くのクライアントは依然として市内での移転を志向しており、質の高い新しいオフィス空間を確保するために、より高い賃料を受け入れる傾向が見られます。
この市場における内装の傾向は、大きく二つに分かれます。ひとつは弁護士事務所やコンサルティング会社などを中心とするローカル市場、もうひとつはここ数年のニアショアリングの流れの中でメキシコシティへ進出してきたグローバル企業を含む市場です。ローカル企業はコストを最優先とする一方で、グローバル企業は優秀な人材を惹きつけるため、快適性や利便性を高める設備への要求が高い傾向にあります。
また、建設コスト全体の上昇や、新型コロナウイルスの影響による世界的なサプライチェーンの長期的な変化を背景に、グローバル企業はオーディオビジュアル機器やIT設備といった内装要素について、現地調達の選択肢を検討するようになっています。不安定な地政学的環境のもとで、ビジネスニーズの変化に対応しつつプロジェクトを予定通りに進める必要がある中、こうした動きは納期遵守の確実性を高める一助となります。 メキシコシティは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の影響により、米国の関税政策からある程度保護されている側面がありますが、地域全体の傾向として、非適合製品については依然としてリードタイムが長く、納品遅延のリスクが残っています。