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新規供給を待つ市場

シドニーでは、企業テナント市場の需要が一時的に低調だった時期を経て、再び活気が戻りつつあります。オフィス勤務への期待値の見直しや全体的なビジネス信頼感の回復により、新たなオフィス空間への需要も高まりを見せています。

しかしその一方で、パンデミック期に生じた開発の遅れにより、とりわけグレードAオフィスの供給は依然として不足しており、新規供給の本格化は2030年代まで待たれる見込みです。

こうした状況のなか、シドニーの内装は他の主要都市と同様に、共用設備・サービスや空間品質の向上を通じて、従業員のオフィス回帰と人材確保を促す役割を強めています。

注目すべきは、グレードAオフィスが不足しているにもかかわらず、いわゆる二次市場への移行(ダウングレード)が進んでいない点です。多くの企業は、現状のオフィスにとどまりながら貸主との条件交渉を行い、新規供給を待つか、あるいは既存オフィスへの投資を通じて現代的な水準へと引き上げるという選択を取っています。

このような需要の集中は、内装コストにも反映されています。シドニーの高仕様内装コストは1㎡あたり7,221豪ドルと、グローバルでも高水準に位置しています。一方で、低仕様内装コストは3,357豪ドル/㎡と相対的に抑えられており、上位層での品質競争が進む一方で、エントリーレベルの内装需要も引き続き一定の規模で存在していることを示しています。


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